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核廃絶への道筋を討論 原水禁・協など 広島で大会・集会

 原水禁国民会議と日本原水協がそれぞれ中心となる二つの原水爆禁止世界大会は5日、広島市内での日程を続けた。海外からの参加者を交え、核抑止論が高まる中での核兵器廃絶に向けた道筋を議論した。

 原水禁系は中区でシンポジウムを開き、核兵器保有国の米国や英国の平和団体のメンバーが参加した。ロシアの「核の威嚇」を踏まえ、保有国が先制不使用を誓う重要性を確認した。参加者からは「被爆の実態は、為政者が『核のボタン』を押すことを妨げてきた。被爆者こそが抑止力だ」などの声が上がった。

 原水禁国民会議の藤本泰成共同議長は「被爆者の声を若い世代が受け継ぐ流れを世界でつくるのが大事だ」と訴えた。

 原水協系は中区で国際会議を開催。ドイツの平和団体のショーン・コナー事務局長は「市民社会が行動を活性化し、核の傲慢(ごうまん)さを防がなければならない」と指摘した。討論後、「核兵器で安全をはかろうとする『核抑止力』論は断固として退けられなければならない」とする会議の宣言を採択した。

 一方、連合が中区で開いた集会には、高校生平和大使5人が登壇。倉敷市の中学校での講演活動などを報告した。加計高芸北分校2年の宇土未来さん(16)は「次の世代に核を持ち込ませないように被爆3世として活動していく」と意気込んだ。

 KAKKIN(旧核禁会議)は東区で集会を開催。核兵器廃絶と原子力の平和利用推進を盛り込んだアピール文を採択した。(山本庸平、太田香)

(2023年8月6日朝刊掲載)

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