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広島きょう原爆の日

 広島は6日、米軍による原爆投下から78年となる原爆の日を迎えた。広島市は午前8時から中区の平和記念公園で原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)を営む。5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で世界の注目を集めた被爆地で、亡き人たちを悼み、核兵器廃絶を誓う一日となる。

 式典には、過去最多の112カ国の海外代表や岸田文雄首相が参列を予定する。開式後に、松井一実市長と遺族代表2人が、この一年に死亡が確認された広島の被爆者5320人の名前を記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑の石室に納める。名簿は2冊増え125冊計33万9227人になる。

 原爆投下時刻の午前8時15分に、遺族代表の主婦角田礼奈さん(41)=南区=と、こども代表の戸坂城山小6年田中湊都(みなと)さん(12)=東区=が「平和の鐘」を突き、全員で黙とうする。

 続いて、松井市長が平和宣言。サミットの核軍縮文書「広島ビジョン」で「核兵器が存在する限り、防衛目的で役割を果たすべきだ」との考えが示されたと指摘する。だが、世界の政治指導者は核抑止論の破綻を直視すべきだとし、核兵器のない世界へ具体的な取り組みを始めるよう迫る。

 「平和への誓い」は、五日市東小6年米広朋留(ともる)さん(11)=佐伯区=と、牛田小6年勝岡英玲奈さん(12)=東区=が発表する。

 原爆ドーム前(中区)の元安川では5日夜、市民団体が平和記念公園の「平和の灯(ともしび)」から採ったかがり火をいかだで浮かべ、犠牲者を鎮魂した。

 厚生労働省によると、被爆者健康手帳を持つ人は3月末時点で11万3649人、平均年齢は85・01歳となっている。(和多正憲)

(2023年8月6日朝刊掲載)

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