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式典会場 緊張ムード 要人警護や手荷物検査 首相演説場襲撃受け徹底

 広島市中区の平和記念公園で6日にあった平和記念式典は、厳戒態勢で進んだ。新型コロナウイルス対策が緩和され、参列者は過去3年と比べて増加。岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件を受け、要人警護や市による手荷物検査などが徹底され、祈りの場は今年も緊張感に包まれた。

 午前5時に公園内への入場規制が始まると、6カ所の入り口では参列者用の金属探知機によるチェックや手荷物検査が実施された。市は入り口を昨年の2カ所から増やしたが、入り口ではチェックを待つ長い列ができていた。福山市の会社経営水主川嘉範さん(44)は「何か起きてからでは遅いので、今のご時世は仕方ない」と話した。

 式典中、市は原爆慰霊碑そばなど立ち入り不可のエリアを昨年より広げた。岸田首相ら要人の安全面を考慮したという。広島県警は7月に発足させた警衛警護室が初めて複数の要人警護に対応した。会場内を移動する岸田首相の周囲などで目を光らせた。

 原爆投下時刻前後には、原爆ドーム前で「岸田政権打倒」などを訴える集会があり、県警の機動隊員が警戒に当たった。多くの人が行き来する公園入り口は一時、物々しい空気に包まれた。

(2023年8月7日朝刊掲載)

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