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原爆死没者鎮魂式・つどい 平和へ 笠岡から祈り 50人参列 高校生5人が「誓い」

 原爆が広島に投下されて78年を迎えた6日、笠岡市では市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいが、市中央公民館で開かれた。約50人が参列し、平和の尊さや核兵器廃絶活動の重要性をあらためて認識した。(谷本和久)

 官民による市非核平和都市宣言啓発実行委員会と市が主催。この1年間で亡くなった市内の被爆者4人の名前が読み上げられた。

 実行委員長で市原爆被爆者会の上小城(かみこじょう)昌昭会長(83)が「時代は変化したが、核兵器廃絶は実現していない。戦争のない恒久平和な世界を築きたい」とあいさつ。小林嘉文市長も「原爆は二度と使用してはならない。広島、長崎だけの問題と考えず、皆さんも声を上げてほしい」と強調した。

 正面スクリーンには広島市での式典映像の模様が映され、原爆投下の午前8時15分には全員が黙とう。仮設した祭壇に折り鶴がささげられ、1人ずつ白菊を手向けた。岡山龍谷高の生徒5人が平和の誓いで、平和を考える大切さを訴えた。

 市によると、2000年に約120人いた市内の被爆者は現在24人で、平均年齢は約87歳。西大島の吉田喜久子さん(78)は生後5カ月で安佐郡祇園町(現広島市安佐南区)の自宅で被爆した。「原爆症に苦しむ人たちを見るのはつらかった。核兵器廃絶を諦めてはいけない」と話した。

(2023年8月7日朝刊掲載)

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