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広島原爆の日 島根でも「あの日」に思い 江津・浜田・松江 慰霊式や集い

 広島原爆の日の6日、県内でも江津、浜田、松江市内で慰霊式や平和を考える集いがあった。78年前の「あの日」に思いをはせ、核兵器の恐ろしさを語り継ぐ大切さを分かち合った。(黒田健太郎、高橋良輔)

 2013年まで原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」があった江津市有福温泉町では、湯町自治会が交流施設「湯町サロン」で追悼式を開いた。住民12人が午前8時15分に黙とう。祭壇に折り鶴や花を供えて、祈りをささげた。

 盆子原温(たずね)会長(73)は「有福温泉荘閉鎖から10年たった。人口が減っていく中、広島との関わりを伝えていくため、若い人を巻き込んでいきたい」と思いを新たにしていた。

 松江市では、学園南の北公園にある原爆慰霊碑前で県原爆被爆者協議会が慰霊祭を行った。被爆者や被爆2世たち19人が周辺の草刈りをし、午前8時15分に黙とうした。

 小学6年の時に爆心地から約3キロで被爆した松江市雑賀町の角エミコさん(90)は「戦争は必ず亡くなる人が出る。(ロシアによるウクライナ侵攻が)一日でも早く終わってほしい」と願った。

 県内の被爆者は、3月末時点で539人。平均年齢は90歳を超える。被爆2世で同協議会会長の本間恵美子さん(73)は「被爆体験の伝承など、できることに一歩ずつ取り組んでいきたい」と力を込めた。

 浜田市では、有志が西村町のギャラリー&カフェ「FUN」で平和を考える集いを開いた。

(2023年8月7日朝刊掲載)

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