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平和の誓い 備後から 「過ち二度と繰り返さない」「被爆体験語り継ぐ」 各地で追悼式典

 広島に原爆が投下されて78年を迎えた6日、備後地方でも各地で追悼の式典が開かれた。参列者は犠牲となった先人を思い、不戦と平和の誓いを新たにした。(筒井晴信、前田薫奈、持田謙二)

 福山市原爆被害者友の会は、同市霞町の中央公園で慰霊式典を開いた。約50人が参列。平逸雄副会長(78)=同市神村町=は追悼の言葉でウクライナ情勢に触れ「核兵器使用は絶対悪であり、被爆者に対する冒瀆(ぼうとく)。過ちは二度と繰り返さないとの悲願達成に全力を尽くす」と誓った。

 この1年間で39人増え計1524人となった死没者名簿を慰霊碑に納めた。司会を務めた盈進高2年の大島弓依(ゆい)さん(17)は「核兵器のない世界へ近づくお手伝いがしたい」と話した。

 三原市原爆被害者之会は、同市本町の慰霊碑前で式典を開催。約60人が犠牲者に黙とうし、献花した。死没者名簿は17人が加わり計677人に。苞山(ほうやま)正男会長(94)は「戦争を知らない人が増えることが一番の恐怖。思いが途切れないよう、被爆の実相を語り継ぐ」と決意を新たにした。

 被爆者の母親を今年亡くし、遺影を抱えて参列した三原市糸崎の森田友治さん(67)は「昔の日本の戦争と似たことが世界では起きている。惨禍は二度とあってはならない」と訴えた。

 尾道市東尾道の市原爆死没者慰霊碑前であった尾道地区原爆被害者の会の式典には、約90人が参列。約30の個人や学校、団体から寄せられた約5千羽の折り鶴を供えた。被爆2世で同市久保町の畑山利一会長(72)は「平和な社会を願い、運動を続ける。輪を広げていきたい」とあいさつした。

(2023年8月7日朝刊掲載)

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