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「市民社会が結束」 原水禁・協 広島大会が閉幕

 原水禁国民会議などと日本原水協などの二つの原水爆禁止世界大会は6日、広島市中区でそれぞれ締めくくりとなる会合を開いた。いずれも核抑止を肯定した先進7カ国首脳会議(G7サミット)の核軍縮文書「広島ビジョン」を批判。市民社会が結束し核廃絶に取り組む決意を新たにした。

 原水協系のヒロシマデー集会には、約1500人が参加した。「広島からのメッセージ」として市民4人が発言。広島市立大4年佐藤優さん(22)は「原爆被害に苦しむ人々の心に触れたら、核兵器を持つという選択はできない。歴史を学び、平和へアクションを起こしていく」と誓った。

 「広島からすべての国の政府への手紙」と題した決議文では、「核抑止はヒロシマ・ナガサキの惨劇をもたらすことを前提にした威嚇に他ならない」と批判。核兵器禁止条約への参加を求めた。

 原水禁系のまとめ集会には約600人が集まりヒロシマ・アピールを発表。「広島ビジョン」について「核廃絶どころか先制不使用宣言にも全く言及されていない」と断じた。広島県原水禁の高橋克浩代表委員(61)は閉会あいさつで「核廃絶と逆の方向に進んでいる今こそ一人一人が力を合わせよう」と呼びかけた。

 原発の建設計画がある山口県上関町で構想が浮上した、使用済み核燃料の中間貯蔵施設へ反対する特別決議も採択した。

 原水禁、原水協とも7日から長崎市に会場を移す。(山本庸平)

(2023年8月7日朝刊掲載)

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