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原爆症 肝機能障害6人認定 厚労省分科会 基準改定で初

■記者 岡田浩平

 原爆症の認定審査をする厚生労働省の被爆者医療分科会が13日、東京・霞が関の同省であり、「積極認定」の対象に加わった肝機能障害で初めて6人を認定した。甲状腺機能低下症も含め、原爆症認定集団訴訟の原告を新たに計14人認定した。

 内訳は、慢性肝炎4人▽肝硬変2人▽甲状腺機能低下症1人▽がん3人▽心疾患4人。

 肝機能と甲状腺の病気は、ともに爆心地から3・5キロ以内の直爆など積極認定の基準を満たすケース。厚労省健康局は、これ以外の個別条件について「公表すると原告が特定される」として明らかにしていない。原告306人のうち昨年4月以後の現行基準でも認定されていない人は109人になった。

 訴訟の一括解決へ、原告側と与党の被爆者対策プロジェクトチーム(PT)は肝機能と甲状腺の病気を積極認定するよう求め、分科会は先月「放射線起因性が認められる」との文言を付けて対象に加えた。

 さらに、積極認定の基準から外れるがんやその他の病気も個別審査で前向きに認定するよう要望している。厚労省の宮崎敦文健康対策推進官は「要望や一連の司法判断を踏まえ行政としてできることに取り組む」と説明。次回以後も順次原告を審査する方針という。

 原告以外では積極認定の基準を満たした甲状腺機能低下症を8件認定した。

  (2009年7月14日朝刊掲載)

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