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福山空襲78年 不戦誓う 慰霊式や4年ぶりに「つどい」

 福山空襲から78年を迎えた8日、原爆・福山戦災死没者慰霊式が福山市霞町の中央公園であった。市内では4年ぶりに平和のつどいも開かれ、被災者や遺族、市民たちが不戦を誓った。

 慰霊式には約120人が参列。黙とうし、花を手向けた。市内の小中高生たちが作った約20万羽の折り鶴などを母子三人像にささげた。市人権平和資料館の連続講座「ふくやまピース・ラボ」のメンバー3人が「争いではなく対話での解決を求め、平和な社会をつくっていく」などと誓った。

 福山空襲で4歳の妹を亡くした近くの佐久間晥(あきら)さん(90)は「連れて逃げられなかったことを思うと今も申し訳ない」と話した。

 松浜町のリーデンローズであった「市民平和のつどい・市民平和大会」には約550人が参加。ロシアによる侵攻を受けてウクライナから福山市に避難しているビクトリア・カトリッチさんが講演し、故郷の変わり果てた姿を動画で伝えた。

 千田町の盈進中・高ヒューマンライツ部の生徒4人と対談し、「ウクライナでは毎日のように人が亡くなっている。助けを必要としている人がいることを覚えておいてほしい」と訴えた。

 いずれも原水爆禁止運動福山推進連盟が主催。1945年8月8日の福山空襲では、市街地の8割が焼失。355人が犠牲となった。(益田里穂)

(2023年8月9日朝刊掲載)

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