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[NPT準備委] 核禁条約への言及検討 議長総括文書 草案を議論へ

 2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けオーストリア・ウィーンで開かれている第1回準備委員会が、ビーナネン議長の総括文書に核兵器禁止条約に関する記述を盛り込む方向で協議していることが9日、分かった。討議では、条約推進国が意義を強調する一方、核兵器保有国は批判か無視をしており、実現すれば推進側にとり一歩前進となる。(ウィーン発 宮野史康)

 複数の外交筋によると、禁止条約がうたう「核被害者の支援、汚染環境の修復」や、推進国が説く「NPTを補う性質」といった意義について、どこまで言及するか、慎重に検討している。禁止条約に反発する核保有国や「核の傘」の下にある国の意向も踏まえ、最終判断するという。

 準備委は10日に議長総括の草案を示し、加盟国で議論する見通し。11日の閉幕までにまとめる。全会一致での合意を目指すが、できなければ、議長の権限で各国の意見をまとめた文書という位置づけになる。

 禁止条約を巡っては、22年の再検討会議の最終文書案で制定過程などの事実関係に触れていたが、ウクライナ情勢に絡んだ別の項目でロシアが反対し、採択できなかった。

(2023年8月10日朝刊掲載)

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