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鐘響かせ 平和の思い新たに 「回天」の島 中学生決意込め 周南

 終戦の日の15日、旧日本軍の特攻兵器「回天」の訓練基地跡が残る周南市大津島で、平和を願って鐘を鳴らす集いがあった。市連合遺族会や市内の太華中1~3年生たち計85人が参加し、平和の尊さをかみしめつつ戦没者に思いを寄せた。

 回天記念館の前庭にある鐘は、1943年に周防大島町沖で謎の爆沈をした戦艦陸奥の大砲の薬きょうなどを鋳込んで造られている。参加者は黙とう後、「私は平和を誓う」と決意を語りながら、次々と鐘を突いた。太華中3年山内瑠夏さん(15)は「多くの若者が回天に乗って亡くなった。平和の大切さを周りに伝えたい」と話していた。

 主催した徳山ユネスコ協会(同市)の原田茂会長(85)は、戦争で亡くした兄をしのびながら「皆が本気で行動することが平和への力になる」と訴えていた。(井上龍太郎)

(2023年8月16日朝刊掲載)

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