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夏の恒例 いつも通りが一番 世界平和祈り盆ダンス 広島 旧市民球場跡地 きょうまで

 被爆1年後の広島で開かれた盆踊り大会を再現した「ひろしま盆ダンス」(中国新聞社主催)が11日、広島市中区のひろしまゲートパークプラザで始まった。新型コロナウイルス禍による中止などを挟み、4年ぶりに旧市民球場跡地で開催。初日は約1万6千人が訪れ、世界平和の実現を祈って次々と踊りの輪に加わった。12日もある。

 開会式では、原爆や過去の災害の犠牲者に黙とう。中国新聞社の岡畠鉄也社長は「広島から世界へ平和の願いを発信する」とあいさつした。広島県民踊協会メンバーの手本を参考に、太鼓の音に合わせて来場者が「広島音頭」を踊り出すと、会場は熱気と一体感に包まれた。

 今年は平和関連の企画を充実させた。世界遺産の原爆ドーム(中区)の内部を3Dで見学できる拡張現実(AR)のブースを設置。ロシアの侵攻を受けて県内に避難したウクライナ人も戦争の終結を願い、祖国の民族舞踊を披露した。浴衣姿で訪れた中区の会社員蔵田由依さん(31)は「犠牲者を悼みながら楽しめる行事。子どももうれしそう」と喜んでいた。

 盆ダンスは1946年の「戦災供養盆踊り大会」の理念を引き継いで2018年に始まり4回目。12日は午後6時から9時半まで。入場無料。(政綱宜規)

(2023年8月12日朝刊掲載)

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