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ICAN新事務局長 豪の元大臣 パーク氏

 非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))は10日、元オーストラリア国際開発相のメリッサ・パーク氏(57)が9月1日付で事務局長に就任すると発表した。約9年間務めた前任のベアトリス・フィン氏が今年1月に退任したのに伴い、ICANが人選を進めていた。

 パーク氏は、2007~16年に同国労働党の連邦議会議員を務め、超党派の核軍縮議員グループの一員などとして核軍縮の推進を支持。ICANオーストラリアでも活動してきたほか、国際法務の専門家として国連での勤務経験もある。

 ICANは同国の医師たちが中心となり発足し、核兵器を全面的に違法化した核兵器禁止条約の制定を推進。17年にノーベル平和賞を受賞している。パーク氏は「大量破壊兵器を世界からなくすための地球規模のキャンペーンで重要な役割を果たすことは名誉だ」とのコメントを発表した。

 ICANの川崎哲(あきら)国際運営委員・会長はパーク氏について「外交と政治に幅広い経験を持っている。1945年以来初めて核兵器が戦争で使用されるかもしれないという危機が高まる中、適任だ」との談話を寄せた。 (小林可奈)

(2023年8月11日朝刊掲載)

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