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加藤友三郎 軍縮の功績継承を 顕彰会、中区で没後100年祭

 広島県出身者では初の首相となった加藤友三郎(1861~1923年)の没後100年祭が19日、広島市中区の大手町第2公園内の生誕地に立つ碑前であった。NPO法人加藤友三郎顕彰会(東区)の主催。参加者は海軍出身ながら大胆な軍備縮小を進めた宰相をしのび、功績の継承を誓った。

 約70人が参加。宮司が祝詞を上げた後、土肥博雄理事長(78)=南区=たちが祭壇に玉串をささげた。その後、中区の料亭で懇親会を開き、加藤の遺徳を振り返った。

 加藤は海軍大臣だった1921~22年、第1次世界大戦後のワシントン会議に首席全権として出席。日本の海軍力を縮小する条約に調印し、首相就任後は軍事費を民生や教育に振り向けたことで知られる。

 出席した松井一実市長は「歴史から学ぶべきものは多い。各国の為政者が軍縮に向けた理想を追求できる環境を整えることが大事だ」とあいさつ。土肥理事長は「軍人だったためか、あまり知られていないが、顕彰活動を続けていきたい」と話した。(野平慧一)

(2023年8月20日朝刊掲載)

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