×

ニュース

絵に込めた平和への祈り 三良坂平和美術館 広島や長崎テーマ

 反戦と平和の祈りを込めた絵画展「JOTOKU 2023 増田常徳 灰色の領域」展が三次市三良坂町三良坂の三良坂平和美術館で開かれている。同館が夏に開催する平和展で今年37回目。9月3日まで。

 広島、長崎、福島をテーマにした三つのブースに、長崎県五島列島出身の画家増田常徳さん(栃木県那須烏山市)の油彩40点を展示。ひび割れた原爆ドームの絵画をテープで仮留めしたような「点と線の記憶(原爆ドーム)」や、原子炉のメルトダウンを思わせる「灰色の領域(死の建屋)」などが並ぶ。

 黒や灰色が基調の生々しい作品群は、核や毒ガスなどの恐怖、それを利用し残虐行為をたくらむ者たちの存在を想起させる。安芸高田市美土里町から訪れた主婦原田京子さん(68)は「迫力に胸が詰まる。ロシアのウクライナ侵攻など戦争が続く。平和な世界になってほしい」と願っていた。

 一般400円、65歳以上300円、高校生以下無料。月曜休館。同館☎0824(44)3214。(戸田剛就)

(2023年8月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ