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連載・特集

日本海軍と航空母艦 大和ミュージアム企画展 <2> 「蒼龍」の進水記念品

運用実績重ねつつ発展

 空からの作戦を可能にした航空機の登場は、戦争の在り方を一変させた。航空母艦の原型が誕生した英国から技術を学んだ日本海軍が1922(大正11)年に建造したのが「鳳翔」だ。運用方法が未知数だった中、いち早く航空母艦を保有した日本海軍は先駆的な役割を果たすことになる。

 鳳翔の完成と同年、ワシントン海軍軍縮条約が締結された。戦艦などの保有量を制限され、危機感を強めた日本海軍は航空機で相手艦隊を攻撃し戦力を減らしてから戦艦同士で戦う作戦を立案。航空母艦に求められた役割は戦艦の支援だ。補助的な役割から始まった航空母艦は運用実績を重ねつつ発展していった。

 企画展では日本海軍の航空母艦を模型や図面、進水記念品などで紹介している。呉海軍工廠(こうしょう)で建造された航空母艦「蒼龍(そうりゅう)」の進水記念品は絵はがきとちょこ。艦名の「龍」をモチーフとした意匠が目を引く。良好な運用実績を残した蒼龍は、日本海軍の航空母艦の到達点となった。(大和ミュージアム学芸員 浜名翔平)

 企画展「日本海軍と航空母艦」は呉市宝町の大和ミュージアムで開催中。今月31日まで無休で、以後は火曜休館(祝日の場合は翌日休館、年末年始は開館)。来年3月31日まで。常設展とセットで一般800円など。☎0823(25)3017。

(2023年8月19日朝刊掲載)

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