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子どもの心 アートで「復興」 ウクライナ侵攻 広島の団体が寄付募る 画材購入や人材確保 現地で活動の女性支援

 一般社団法人の広島平和構築人材育成センター(広島市中区)が、ロシアの侵攻で心に傷を負ったウクライナの子どもたちを癒やすアートセラピー(芸術療法)を支援する。27日までクラウドファンディング(CF)で寄付を募り、画材を購入したりスタッフを確保したりするための資金に充ててもらう。

 アートセラピーに取り組むのは、東部ドネツク州から戦火を逃れ、首都キーウ(キエフ)近郊のブチャに仮住まいしているタチヤーナ・マチュシェンコさん(44)。恐怖やストレスから心を閉ざした子どもたちが絵を描いたり、編み物をしたりすることで、感情を表現し、心の平穏を取り戻す効果がみられるという。

 東京外国語大大学院の教授(国際政治学)でセンターの篠田英朗代表が3月に現地調査でブチャを訪れ、独学でアートセラピーを学び、実践しているマチュシェンコさんと知り合った。継続的に指導を担う専門員が足りないのが課題と聞き、絵の具などの用具の費用を含め、支援を買って出たという。

 6月末にCFを始め、今月中旬に目標額の200万円に達した。27日まで続け、現地の協力者に送金する。1万円以上の寄付者には、セラピーで子どもたちが祖国の平和を願って描いた絵の画像を返礼品として贈る。

 篠田代表は「広島は『心の復興』を象徴する街。平和構築に関わり、ウクライナをサポートしたい」と話している。CFのサイトはhttps://readyfor.jp/projects/123134(太田香)

(2023年8月22日朝刊掲載)

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