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連載・特集

日本海軍と航空母艦 大和ミュージアム企画展 <4> 航空母艦の格納庫

フレームで大きさ実感

 洋上で艦上機を発着艦させる航空母艦は「動く飛行場」といわれ、特殊なメカニズムを備えていた。航空母艦は、複数の甲板が積み重なって構成されている。おおまかに下から見ると、動力となる機関などがある船体、その上に艦上機の格納庫、最上部に発着艦を行う飛行甲板がある。

 会場内の閲覧端末では、航空母艦の図面をデジタルデータで公開している。各甲板にどのような設備があったのかを知ることができる。中でも航空母艦「赤城」と「加賀」の図面は本企画展で初めて公開する資料だ。

 艦内の格納庫をイメージし再現したコーナーもある。格納庫は、艦上機を収容、整備する場所だ。壁面には燃料タンクやプロペラ、整備道具が置かれていた。当時、航空母艦を見学した人々は「工場のようだ」と証言している。壁面に設けられた巨大なフレームを見ると、航空母艦の大きさが実感できるだろう。(大和ミュージアム学芸員 浜名翔平)

 企画展「日本海軍と航空母艦」は呉市宝町の大和ミュージアムで開催中。今月31日まで無休で、以後は火曜休館(祝日の場合は翌日休館、年末年始は開館)。来年3月31日まで。常設展とセットで一般800円など。☎0823(25)3017。

(2023年8月21日朝刊掲載)

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