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NPT準備委「分断深刻」 総括文書取り下げで広島知事

 広島県の湯崎英彦知事は22日の記者会見で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会が、議長の総括文書を取り下げて閉幕したことを巡り「非常に残念で、各国間の分断の深刻さを示している」との見解を述べた。

 オーストリア・ウィーンであった準備委は約2週間の議論を経て11日に閉幕した。ビーナネン議長は議論を網羅した総括文書をイランなど一部の国の反発で取り下げた。NPT体制の機能不全が指摘される中、湯崎知事は「各国ともNPT体制は重要だと認識していると思う。核軍縮、不拡散の進展に国際社会が不断の努力を続けることを期待する」と述べた。

 準備委の期間中、県は現地で持続可能性の観点から核兵器廃絶を議論するイベントを長崎県との共催で開いた。参加した湯崎知事は「新しいアプローチに、多くの前向きな反応をもらった」と手応えを話した。(長久豪佑)

(2023年8月23日朝刊掲載)

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