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被爆2世ら3330人選定 ゲノム解析 放影研が研究計画

 被爆2世のゲノム(全遺伝情報)解析で、放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は23日、研究計画を明らかにした。放射線による遺伝的影響の有無を初めて調べる対象として広島、長崎の被爆者とその子どもたち903家族計3330人を選定。着手時期は未定だが、調査期間は7年を見込んでいる。

 放影研によると、1985年から定期的に提供を受けてきた被爆者と配偶者、子どもの計約1千家族の血液細胞などの試料のうち、被曝(ひばく)線量などの条件に合う家族を選んだ。被爆地別は広島が522家族、長崎は381家族。放射線量の違いによる遺伝子の変異の状態などを比較するという。

 この日、被爆者や2世、専門家でつくる外部諮問委員会に計画を示し、非公開で意見を聞いた。終了後に記者会見した神谷研二理事長は「できるだけ速やかに開始し、結果を出したい」と話した。着手前には市民向けの説明会も開き、調査への理解を広げる。(太田香)

(2023年8月24日朝刊掲載)

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