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ひと交差点 78年経て存在 核兵器廃絶を

 「被爆から78年、いまだに核兵器がある。絶対に廃絶しなければならない」。広島流川教会(広島市中区)の故谷本清牧師の長女で、被爆者の近藤紘子(こうこ)さん(78)=兵庫県三木市=は訴える。19日、広島市内であったトークイベントで、原爆孤児の救済などに尽くした父の活動や核廃絶への思いを語った。

 生後8カ月の時、爆心地から1.1キロで被爆。被爆者として苦しみ、「ヒロシマとさようならしたかった」時期もあったという。しかし、父たちの遺志を継ぎ、核兵器がもたらす惨状を国内外に訴え続けている。

 平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑に刻まれた「過ちは繰返(くりかえ)しませぬから」の碑文をそらんじ、願う。「前に立った一人一人に、しっかり読んでほしい。これは被爆者の叫び、私の叫びです」(小林可奈)

(2023年8月24日朝刊掲載)

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