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「友愛の碑」に説明板 中区 被爆の損保会社職員89人追悼 日本損保協会 遺族の提案で設置

 広島市中区の平和大通り沿いにある日本損害保険協会の「友愛の碑」に24日、新たに説明板が取り付けられた。原爆の犠牲となった損害保険会社の職員89人を悼む碑だが、これまで由来などの案内がなく、遺族の提案で実現した。

 金属製の説明板は縦16センチ、横42センチ。「日本損害保険協会加盟会社の原爆犠牲者89人の慰霊と平和への礎を祈念する」と建立の目的を紹介。8月6日の原爆投下の4日後には各社の合同事務所を設け、「人びとの不安を収めるため、保険金の即時支払い事務が行われた」などと記している。

 原爆で損害保険会社職員だった父を亡くした被爆者の高田勇さん(91)=南区=が昨年7月、同協会に説明板の設置を提案。この日、同協会職員たちと碑を訪ね、真新しい説明板に触れた。高田さんは「何もないのはさみしいと思った。近いうちに娘たちを連れていきたい」と話していた。(太田香)

(2023年8月25日朝刊掲載)

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