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NPT準備委 総括文書取り下げ 広島市長「非常に危惧」

 広島市の松井一実市長は24日の記者会見で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会が議長総括を公式文書に残せないまま閉幕したことを巡り「各国の緊張関係が相当高まっている。非常に危惧すべき状況」と懸念を示した。

 オーストリア・ウィーンで11日に閉幕した準備委では、議長による総括文書がイランなど一部の国の反発で取り下げられた。松井市長は「互いに知恵を駆使し、会議をまとめる弾力的な対応すら難しくしている」と指摘。国家間の主張の違いを調整できない準備委の状況に「非常に危険な兆候と思う」と述べた。

 また山口県上関町が使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設に向けた中国電力の調査を容認したことについては「今後、手続きを進めていくことになるので、周辺住民の安心安全の確保、納得度を高めるための具体的な配慮に注力するべきだ」と中電側に求めた。(和多正憲)

(2023年8月25日朝刊掲載)

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