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原爆犠牲者 船上で追悼 被爆2世歌手 山村さん出演 広島市似島沖

■ヒロシマ平和メディアセンター編集部長 江種則貴

 原爆投下直後に多数の負傷者が運ばれ、犠牲者が埋葬された広島湾の似島(広島市南区)周辺の海上で8月5日夕、犠牲者を追悼する船上イベントがある。歌手で被爆2世の山村貴子さん(49)=南区=が慰霊の歌声を響かせる。

 午後6時半、広島港をフェリーで出港し、似島東岸にある慰霊碑前で停船。山村さんは、白血病で亡くなった佐々木禎子さんをモデルにした「折鶴(おりづる)」、星野哲郎さんが作詞した「灯籠(とうろう)流し」の持ち歌や「広島音頭」を歌って平和を祈る。島民から当時の様子を聞いた後、参加者による海上献花や黙とうを予定している。

 似島では2004年、市の調査で原爆犠牲者の遺骨が相次いで見つかり、山村さんの遠縁に当たる女学生の遺品も出てきた。米中枢同時テロの犠牲者を現地で追悼するなど歌を通じた平和活動に取り組む山村さんは「似島での出来事を多くの人に伝えたい」と07年から船上イベントを始めた。今年で3回目になる。

 定員200人。無料。申し込みはオフィスYAMATO内の実行委員会Tel03(5786)4550。

(2009年7月15日朝刊掲載)

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