4号棟 24年度着工へ 旧陸軍被服支廠 中国財務局 耐震化 26年度完了方針
23年9月2日
広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を巡り、中国財務局は1日、全4棟のうち所有する4号棟の耐震化工事を2024年度に始め、26年度の完了を目指すと発表した。錦織功政局長は記者会見で、残りの1~3号棟を所有する広島県や市とともに全棟保存に取り組む考えを示した。(河野揚)
国の24年度予算の概算要求に、国有財産管理に必要な経費として計上した。予算化が決まれば、れんが壁の補修や補強材の設置などを進める。県の方針と同様、内部見学など最低限の利活用ができる工事とする。
24年度上期にも入札公告を出す。県の3棟は着工の見通しが立っていないことから、工事の完了時期は県とそろえる可能性もあるという。財源は全額を財務省の予算で賄う。要求額や事業費は入札に影響するとして公表しなかった。
錦織局長は4号棟の国重要文化財(重文)指定に向けた調査を始めたことも明らかにした。今後は建物を改変した履歴を調べる必要があり、文化庁と調整している。
残る1~3号棟について、県は重文指定を受けた上で文化庁の補助金を使って耐震化を目指す考え。ただ、文化庁は重文への申請条件として、利活用策を示すよう県に求めており、指定のめどは立っていない。
錦織局長は「被服支廠は非常に歴史的な価値が高い。県、市と協力してどう保存していくか。努力を重ねたい」と力を込めた。
(2023年9月2日朝刊掲載)
国の24年度予算の概算要求に、国有財産管理に必要な経費として計上した。予算化が決まれば、れんが壁の補修や補強材の設置などを進める。県の方針と同様、内部見学など最低限の利活用ができる工事とする。
24年度上期にも入札公告を出す。県の3棟は着工の見通しが立っていないことから、工事の完了時期は県とそろえる可能性もあるという。財源は全額を財務省の予算で賄う。要求額や事業費は入札に影響するとして公表しなかった。
錦織局長は4号棟の国重要文化財(重文)指定に向けた調査を始めたことも明らかにした。今後は建物を改変した履歴を調べる必要があり、文化庁と調整している。
残る1~3号棟について、県は重文指定を受けた上で文化庁の補助金を使って耐震化を目指す考え。ただ、文化庁は重文への申請条件として、利活用策を示すよう県に求めており、指定のめどは立っていない。
錦織局長は「被服支廠は非常に歴史的な価値が高い。県、市と協力してどう保存していくか。努力を重ねたい」と力を込めた。
(2023年9月2日朝刊掲載)