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岩国基地騒音 8月で最多 10年の沖合移設以降 艦載機帰還で増加

 米軍岩国基地(岩国市)周辺で8月の70デシベル以上の騒音測定が2195回に上り、滑走路が沖合に1キロ移った2010年以降で8月では最多だったことが5日、岩国市のまとめで分かった。空母艦載機が8月中旬から岩国基地に戻って訓練を再開したためとみられる。市に寄せられた騒音の苦情も647件と最多だった。

 市は市内5カ所で騒音を測定している。「騒々しい街頭」に当たる70デシベル以上は基地北側の川口町(747回)と南側の尾津町(772回)の2カ所で10年以降最も多かった。5カ所合計も10年以降で最多となり、これまでで最も多かった18年(1426回)の1・5倍になった。

 岩国基地に艦載機約60機が厚木基地(神奈川県)から移った18年以降、騒音は増加傾向にある。艦載機は今年、5月に岩国基地を離れて空母と東シナ海などで展開し、8月17~25日ごろ岩国基地に帰還した。20、21年を除いて夏に3週間ほど戻っており、今年も夏の一時的な帰還とみられる。

 市への苦情件数は10年以降で最多だった22年の1・8倍。「テレビの音が聞こえない」「夜は静かにしてほしい」などの電話やメールが寄せられたという。市基地政策課は「国や米側に市民の声を伝え、騒音の軽減を求める」としている。(黒川雅弘)

(2023年9月6日朝刊掲載)

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