首相「核なき世界目指す」 東アジアサミット 露の威嚇懸念
23年9月8日
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中韓ロなどが参加する東アジアサミット(EAS)が7日、インドネシア・ジャカルタであった。岸田文雄首相は核兵器使用の威嚇もするロシアのウクライナ侵攻に触れ、「核兵器のない世界の実現に向け、現実的かつ実践的な取り組みを進める」と強調した。他の参加国からもウクライナ情勢を懸念する発言があった。(ジャカルタ発 山瀬隆弘)
EASには、ハリス米副大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、中国の李強首相、ロシアのラブロフ外相も出席。岸田首相は「核威嚇は断じて受け入れられず、使用はあってはならない」と訴えた。核兵器の不使用継続や核戦力の透明性向上など自ら唱える「ヒロシマ・アクション・プラン」をベースに核なき世界を目指すとも主張した。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関しては、日本の水産物を全面輸入停止にした中国を念頭に名指しはせず「一部の国が突出した行動をしている」と批判。科学的根拠と高い透明性で国際社会に説明していく考えを述べ、ハリス氏が支持した。中国からの言及はなかった。
首相は東・南シナ海で「日本の主権を侵害する活動」や「軍事化や威圧的な活動」があると指摘し、海洋進出を強める中国をけん制した。台湾海峡の平和と安定の重要性も説き、習近平国家主席とともに日中間の建設的で安定的な関係の構築に努力すると表明。「あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図る」とした。
EASはインドやオーストラリアなども参加する18カ国の枠組み。日本政府は地域の安全保障問題を首脳が率直に話し合う場として重視している。
(2023年9月8日朝刊掲載)
EASには、ハリス米副大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、中国の李強首相、ロシアのラブロフ外相も出席。岸田首相は「核威嚇は断じて受け入れられず、使用はあってはならない」と訴えた。核兵器の不使用継続や核戦力の透明性向上など自ら唱える「ヒロシマ・アクション・プラン」をベースに核なき世界を目指すとも主張した。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関しては、日本の水産物を全面輸入停止にした中国を念頭に名指しはせず「一部の国が突出した行動をしている」と批判。科学的根拠と高い透明性で国際社会に説明していく考えを述べ、ハリス氏が支持した。中国からの言及はなかった。
首相は東・南シナ海で「日本の主権を侵害する活動」や「軍事化や威圧的な活動」があると指摘し、海洋進出を強める中国をけん制した。台湾海峡の平和と安定の重要性も説き、習近平国家主席とともに日中間の建設的で安定的な関係の構築に努力すると表明。「あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図る」とした。
EASはインドやオーストラリアなども参加する18カ国の枠組み。日本政府は地域の安全保障問題を首脳が率直に話し合う場として重視している。
(2023年9月8日朝刊掲載)