×

社説・コラム

『この人』 陸上自衛隊第13旅団長に就任した 徳永勝彦(とくながかつひこ)さん

 中国地方5県をカバーする陸上自衛隊第13旅団(広島県海田町)の旅団長として8月29日に着任した。海田市駐屯地(同)での着任式では「任務を完遂するために、平素から盤石な基盤と即応体制を整える部隊、隊員づくりを目指す」と隊員に訓示した。

 同駐屯地に勤務するのは2回目となる。1回目は1992年春に防衛大学校を卒業した直後。第46普通科連隊で8年間を過ごした。「一生懸命訓練して隊員と寝食を共にして汗をかいた。未熟な初級幹部だったが、先輩や同僚、後輩が支えてくれた」と振り返る。

 その後も、戦闘時に陣地を守る骨幹の部隊である普通科に主に所属。熊本や大分で中隊長や連隊長を歴任してきた。それらの経験を踏まえ、任務遂行には「和」が欠かせない、と実感する。「地域の皆さんとの『和』、部隊の『和』、隊員の家族を含めた『和』を重視する」と話す。特に毎年のようにある災害派遣では「地元の自治体や警察、消防、地域の皆さんとの連携が欠かせない」と強調する。

 熊本県菊池市出身。進路に迷っていた高校3年の時、防衛大学校を紹介する本を見て興味を持った。「任務は国家や国民のためにあるという崇高な使命に魅力を感じた」

 大学校時代から劇団四季のファン。「同じ劇でも鑑賞した年代によって感動する場面が異なる。そして一つの舞台を創り上げるチーム力を感じる」とほほ笑む。東京の自宅に妻と娘2人を残し、広島市安芸区の官舎に単身赴任。(二井理江)

(2023年9月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ