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アフガン国外脱出 支援を NPO法人REALs 瀬谷理事長インタビュー

タリバン弾圧強化 CFへの協力募る

 東京の認定NPO法人REALs(リアルズ)がアフガニスタンから国外脱出を求める人々の支援のためクラウドファンディング(CF)を展開している。同国ではイスラム主義組織タリバンが暫定政権を樹立し、前政権で働いていた人たちに「殺害予告」をするなど弾圧を続けているという。

 期限は10月6日で、目標は1千万円。退避する際の航空費や陸路の交通費、隠れ家の運営費などに充てられる。3千円、5千円、1万円コースなどがあり、いずれも寄付金控除の対象となる。(吉原圭介)

 首都カブールの陥落から8月で2年がたった。REALsの瀬谷ルミ子理事長に、現地の様子や支援の目的などを聞いた。

  ―なぜ今、支援が必要なのですか。
 タリバンによる弾圧は日に日に強まっている。女性の教育、就労、移動などの権利が制限されているほか、女性活動家やタリバンをかつて取り締まっていた司法関係者らに逮捕状や死刑宣告が出されている。

 パキスタンやイランに脱出した人は正式に国際機関などに登録されている人だけで207万人。しかしその先の受け入れ先を見つけてあげないと強制送還されてしまう。

  ―本来は国がやる仕事だと思いますが。
 そう。ただ国により熱意に差がある。さらにロシアによるウクライナ侵攻で、国際社会はウクライナ優先になった。もちろんそれも大事だが、アフガニスタンでも命が危険にさらされている人たちがいることを忘れないでほしい。

 われわれを頼ってきている人は千人以上いる。これまでに294人を退避させることができた。一番多く受け入れているのはドイツで3割ほど。次いで日本で2割弱だ。ただ、日本との関わりが理由で迫害を受けている人でも日本の受け入れはこれ以上見込めない状況だ。

 また約700人に隠れ家を提供するなど保護もしている。

  ―クラウドファンディングの目標1千万円でどのくらいの人を国外退避させられますか。
 120人が目標だ。ただもし目標を超えることができれば、より多くの人を救うことができる。今日救える命が明日はないかもしれない。そんな現状を知り、協力してほしい。

(2023年9月12日朝刊掲載)

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