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サントリー地域文化賞に5団体 広島文学資料保全の会 受賞

 地域文化の発展に貢献した団体や個人を表彰する第45回サントリー地域文化賞(サントリー文化財団主催)の受賞5団体が13日、発表された。中国地方からは「広島文学資料保全の会」(広島市中区)が選ばれた。

 保全の会は1987年に発足。原爆文学を代表する峠三吉、原民喜、栗原貞子らの自筆原稿と関連資料の収集、保全に努めてきた。広島市内に文学館設立を求める市民運動を続けている。

 この日、選考委員のノンフィクション作家梯(かけはし)久美子さん(61)たちが県庁で記者会見した。梯さんは「原爆文学資料は人類が忘れてはならない記録的文書だ。長年の地道な活動と信念、高い志に感銘を受けた」と会の活動を評価した。

 保全の会の土屋時子代表(75)は「文学を愛する一念で活動を支えた方々のおかげで今がある。受賞を励みに文学館の設立を早期に実現したい」と謝意を述べた。各団体に贈られる賞金300万円は、活動記録集の出版や国際シンポジウムの開催に充てるという。

 同賞は79年創設。中国地方では昨年までに26団体と1個人が受賞した。今年の贈呈式は10月31日に大阪市で開く予定。

 他の受賞団体は「若狭小浜ちりとて落語の会」(福井県)▽「伊勢型紙技術保存会」(三重県)▽「和歌祭保存会」(和歌山県)▽「キッズミュージカルTOSU」(佐賀県)。(桑島美帆)

(2023年9月14日朝刊掲載)

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