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原爆資料館入館1.8倍 8月前年度比 ほぼコロナ禍前水準

 原爆資料館(広島市中区)の8月の入館者が前年度の1・8倍の20万400人に達したことが19日、分かった。年間最多を記録した2019年度の9割超まで回復した。5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を通じ、国内外から被爆地への注目が集まったのが一因にある。

 資料館によると、8月の入館者は前年度から8万6715人増えた。19年度8月比では93・8%。4~8月では計85万6592人が訪れ、19年度同期比93・4%となっている。19年度の1年間の入館者は175万8746人だった。

 資料館啓発課は、サミット効果のほか、新型コロナウイルスの水際対策の撤廃や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う核問題への関心の高まりも来館の動機になったと推測。「国内外の多くの人に核兵器がいかに悲惨か学んでもらえた」と手応えを示す。

 ただ、外国人でみると、この8月は前年度の11・8倍の5万6808人だったが、7月の6万1738人より減った。8月は入館まで2時間待ちのときがあり、激しい混雑ぶりが影響した可能性がある。市は混雑対策を検討する。(宮野史康)

(2023年9月20日朝刊掲載)

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