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原爆遺品テーマ 絵本朗読 広島の3団体「悲劇繰り返さない」

 広島市を拠点にする劇団など3団体が24日、東区の区民文化センターで朗読会をした。原爆犠牲者の遺品が語る写真絵本「さがしています」を読み上げ、あの日の悲劇を繰り返さないよう呼びかけた。

 劇団テアトル広島、広島声優カンパニー、劇団Tempaの計13人が絵本を手に、ステージの画面に映し出した手袋や弁当箱になりきって伝えた。熱線の跡が残った「人影の石」を担当した安芸区の森井順さん(68)は「原爆は過去ではなく、今に生きる人の課題との思いを込めた」と話していた。

 絵本の作者で、米国出身の詩人アーサー・ビナードさん(56)=中区=も駆けつけた。英語版を作成していると明かし「いくつものヒントをもらった」とあいさつした。

 同センターの主催で、午前と午後の部に計105人が来場。西区の主婦山代圭子さん(68)は「言葉に力があった。それぞれの遺品の『感情』が伝わってきた」と話していた。(宮野史康)

(2023年9月25日朝刊掲載)

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