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東京の大学生ら被爆地の旅探る 証言聞き取りも

 原爆や平和をテーマにした広島観光について調査しようと、多摩大(東京)の学生たちが広島で3日間のフィールドワークに取り組んだ。被爆者の体験証言を直接聞くなどしながら、県外から訪れる若い世代にとってヒロシマをより実感できる旅のあり方を探った。

 学部を横断したゼミの一環で、観光業に関心を持つ学部生と大学院生計6人や、担当の桐谷多恵子専任講師らが参加。15歳の時に被爆した切明千枝子さん(93)=安佐南区=と面会し、県立広島第二高等女学校(現皆実高)の校舎で瀕死の下級生たちを手当てした時のことや、広場で遺体が次々と焼かれた被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で目の当たりにした悲惨な状況について聞いた。

 学生は「若者の平和に対する意識をどう思うか」と質問。切明さんは「被爆者が体験した惨状を知った上で平和を維持するための行動をしてほしい」と応じた。2年の野上隆之介さん(19)は「表情や言葉に引きつけられた。被爆者から直接証言を聞く機会は大事だと思った」と話した。

 6人は原爆資料館の学芸員にインタビューしたり、被服支廠を見学したりした。年度内に共同で論文にまとめる。

(2023年9月25日朝刊掲載)

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