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投下責任「棚上げ」に抗議 広島市幹部発言 被爆者・市民の団体

 広島市の平和記念公園と米パールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定を巡り、米国の原爆投下責任に関する議論を「棚上げ」するとした市幹部の市議会答弁を受け、被爆者や市民の団体が26日、市へ相次ぎ抗議した。市側は「撤回は考えていない」としている。

 広島県被団協(佐久間邦彦理事長)、県原水協などの4団体は、市役所で国際化推進課の野坂正紀課長と面会。「死者の思いを踏みにじる」として発言の撤回などを求める要請書を手渡した。これに対し、野坂課長は「棚上げ」発言は松井一実市長の了解を得ていたと説明。「米国の責任を免罪するものではない」と理解を求め、撤回は否定した。

 また、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は26日、「答弁に不安と疑念を感じる」として市に質問状を提出した。原爆投下責任の議論の「棚上げ」に米国との合意はあるのか―など5項目を尋ねている。

 21日の市議会一般質問では、市民局の村上慎一郎局長が「協定は原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点では棚上げにし、まずは核兵器の使用を二度と繰り返してはならないという市民社会の機運醸成を図るために締結した」と答弁した。(宮野史康)

(2023年9月27日朝刊掲載)

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