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在日広島被爆者ら訪韓 政府が38人初招待 大統領と面会へ

 広島で被爆した在日韓国人被爆者や被爆2世たち38人が28日、韓国政府から初めて招かれ同国を訪れた。10月3日までの滞在中、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と面会予定。原爆被害に加え在日韓国人として二重の苦しみを受けてきた被爆者たちは入国時「夢のよう」と語った。(ソウル発 小林可奈)

 一行は午前に広島空港(三原市)を出発。林始興(イム・シフン)駐広島韓国総領事から「良い思い出とともに、無事に帰って来るよう祈っている」と見送られた。到着したソウル近郊の仁川国際空港では在外同胞庁トップの李基哲(イ・ギチョル)庁長の出迎えを受けた。

 李氏から花束を受け取った被爆者の呉炳洙(オ・ビョンス)さん(92)=広島市東区=は「感激した」と笑顔。同じく被爆者の曺仁順(ソウ・ニンジュン)さん(87)=安佐北区=は「祖国で祖国の大統領と面会できるからこそ、老骨にむち打って来た。最高の思いだ」と語った。

 大統領との面会には韓国に住む被爆者も出席する見通し。在外同胞庁主催の夕食会なども予定されている。

 今回の訪韓は尹氏の意向で実現した。5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招かれて現職大統領として初めて広島入りし、平和記念公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れていた。

(2023年9月29日朝刊掲載)

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