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広島サミットの開催意義問う本 来月出版 被爆者ら寄稿

 広島市で5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を巡り、広島県内の市民団体が10月6日、被爆地開催の意義を問う「私たちの広島サミット」を出版する。被爆者や市民団体の若者、識者たち31人の寄稿などを載せ、首脳が訴えるサミットの「成果」に疑問を呈している。

 A5判184ページ。執筆者が核兵器廃絶を求めるそれぞれの立場から、サミットを論評している。

 核軍縮文書「広島ビジョン」には厳しい意見が並び、県被団協の箕牧(みまき)智之理事長は「核抑止論が主張されたのは残念。核兵器禁止条約を無視しないで」。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長も「核抑止論を正当化し、核兵器廃絶に逆行する」と批判している。カナダ在住の被爆者、サーロー節子さんの今夏の講演録もある。

 佐久間理事長の県被団協や県原水協でつくる「G7広島サミットを考えるヒロシマ市民の会」が編さんした。28日には執筆者7人が市役所で会見。「サミットに裏切られた」との思いを寄せた市立大4年佐藤優さん(22)は「執筆者の思いが詰まった一冊」と紹介した。1540円。書店やインターネット通販で購入できる。(太田香)

(2023年9月29日朝刊掲載)

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