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岩国基地騒音 9月で最多 沖合移設前超す 艦載機訓練が影響か

 米軍岩国基地(岩国市)周辺の5カ所で70デシベル以上の騒音が測定された回数が9月は計3500回に上り、現行の測定方法となった2006年以降の同月比で最多だったことが4日、岩国市のまとめで分かった。昨年の2・1倍で、10年に滑走路を沖合1キロに移す前より多い。基地を離れていた空母艦載機が一時帰還し、ほぼ1カ月間を通して訓練した影響とみられる。

 市は市内5カ所で騒音を測定。「騒々しい街頭」に当たる70デシベル以上は基地北側の川口町(1142回)と南側の尾津町(1050回)、市南部の由宇町港(573回)と由宇町大畑(313回)の4カ所で10年以降で最も多く、5カ所の合計は過去最多だった07年(3286回)を上回った。

 艦載機約60機は18年に岩国基地へ移って以降、例年は5月ごろから11月ごろまで空母と洋上で展開。20、21年を除いて夏に3週間ほど岩国基地へ帰還している。今年は8月17日ごろに岩国基地に戻った。空母の横須賀基地(神奈川県)出港が予定より遅れて9月29日となったことに伴い、艦載機は同30日ごろまでの約1カ月半、岩国基地にいた。28日にはFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機が滑走路に着陸してすぐ離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を繰り返した。

 岩国市の穴水辰雄・基地政策担当部長は「艦載機が岩国基地に滞在する期間の騒音回数が沖合移設前の状況に戻りつつある。国や米側に騒音の軽減を求めていく」と話した。(黒川雅弘)

(2023年10月5日朝刊掲載)

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