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8・6式典デモ行動 広島市アンケート 拡声器「悪影響」76% 市、音量の抑制要請へ

 広島市は、8月6日に平和記念公園で平和記念式典の参列者に尋ねた、デモ行動に関するアンケートの結果をまとめた。式典中に拡声器の音が聞こえたと回答した人のうち、76・4%が式典に「悪影響がある」と答え、昨年に比べて10ポイント増えた。今年はデモの自粛を求める市民団体にけが人が出ており、市は音量の抑制をデモの実施団体側に要請する。

 会場内で1万1406人にアンケート用紙を配り、2622人から回答を得た。拡声器の音が「聞こえた」のは88・7%で昨年から1・9ポイント減った一方、「聞こえなかった」のは10・3%で4・5ポイント増。市は「昨年と大差ない」として、悪影響を指摘する声の拡大を問題視している。時間帯別では、岸田文雄首相のあいさつ中が89・5%で最多だった。

 市は、式典を「厳粛の中で行う」と定めた市平和推進基本条例に基づき、広島県の条例で騒音の規制対象となる85デシベルを超えないよう団体側に要請してきた。式典時は会場周辺の10カ所で音量を測定し、デモ行進のルート付近8カ所で最大87~108デシベルを計測した。

 市によると、原爆ドーム(中区)周辺であったデモ行動では、式典開始前に市民団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」が通行人の通路を確保していた市職員の規制を突破し、その際に、自粛を求めていた市民団体「静かな8月6日を願う広島市民の会」の関係者が転倒したという。デモをした団体は「(けが人は)わざと転んだ」などと主張している。

 市民活動推進課は「ドーム周辺で負傷者が発生したことを重く受け止める。粘り強く団体側との協議を続ける」としている。(野平慧一)

(2023年10月5日朝刊掲載)

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