広島知事 海外出張活発 本年度6回 過去5年で最多 円安で渡航費増 対効果疑問の声
23年10月11日
広島県の湯崎英彦知事の海外出張が活発になっている。今月中旬にはフランスへ渡航し、本年度の海外出張は6回と過去5年で最も多い。県内への観光客増加や県産品の販路拡大などの効果があるとするが、円安で渡航費が膨らむ中、県議の一部からは「費用対効果」に疑問の声が出ている。(河野揚)
「私が行くと、本気度を伝えることができる」。湯崎知事は3日の記者会見で、フランスでのトップセールスの意義を強調した。13~17日に首都パリと中部の都市ディジョンを訪れ、ワイン即売会やレストランで県産のカキと日本酒を売り込む。飛行機はビジネスクラスという。県職員4人も同行し、事業費は700万円を見込む。
県秘書課によると、湯崎知事は4月と8月に観光PRのため台湾へ渡った。7~8月は友好提携先の米国ハワイ州へ行った後、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会の開催地オーストリア・ウィーンへ。6月には公務と政務を兼ねて英国を訪れた。関係者によると、本年度はさらに米国訪問の可能性もあるという。
海外出張は18年度に3回、19、22年度に各4回で、新型コロナウイルス禍の20、21年度はゼロだった。本年度の海外出張6回の事業費は計3千万円を超える見通しだ。
「観光客の増加などにつながる」と効果を主張する湯崎知事に対し、県議の一人は「円安で渡航費が高くなっており、知事のトップセールスは費用が効果を上回るのでは」と指摘する。別の県議はNPT会合への参加も「知事個人が平和行政にここまで力を入れる必要があるのか」と疑問視している。
(2023年10月11日朝刊掲載)
「私が行くと、本気度を伝えることができる」。湯崎知事は3日の記者会見で、フランスでのトップセールスの意義を強調した。13~17日に首都パリと中部の都市ディジョンを訪れ、ワイン即売会やレストランで県産のカキと日本酒を売り込む。飛行機はビジネスクラスという。県職員4人も同行し、事業費は700万円を見込む。
県秘書課によると、湯崎知事は4月と8月に観光PRのため台湾へ渡った。7~8月は友好提携先の米国ハワイ州へ行った後、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会の開催地オーストリア・ウィーンへ。6月には公務と政務を兼ねて英国を訪れた。関係者によると、本年度はさらに米国訪問の可能性もあるという。
海外出張は18年度に3回、19、22年度に各4回で、新型コロナウイルス禍の20、21年度はゼロだった。本年度の海外出張6回の事業費は計3千万円を超える見通しだ。
「観光客の増加などにつながる」と効果を主張する湯崎知事に対し、県議の一人は「円安で渡航費が高くなっており、知事のトップセールスは費用が効果を上回るのでは」と指摘する。別の県議はNPT会合への参加も「知事個人が平和行政にここまで力を入れる必要があるのか」と疑問視している。
(2023年10月11日朝刊掲載)