アラブの子に母語教育を 広島の市民団体 CFで資金募る 小学生にオンライン授業 精神的支援も
23年10月16日
広島市を拠点とする「アラブの子どものための母語教育協会(アナーラ)」が、活動継続のための資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。内戦などを逃れて日本で暮らす子どもたちを精神的に支えながら、無償で母語を教え、成長を見守る。
県内外の6人が在籍する小学5年クラスのオンライン授業。「テキストを読んでください」。シリア出身の講師ズィヤード・アルファッラージュさん(41)=安佐北区=がアラビア語で呼びかけると、画面越しに1人ずつ元気よく音読を始めた。子どもたちは日本各地で暮らす仲間とオンライン上でつながることができ、楽しそうだ。
アナーラは、代表の田浪亜央江(あおえ)・広島市立大准教授(中東地域研究)が2021年春、広島県内で子育てをしているアラブ人たちと設立した。日本で暮らす子どもたちにとって母語での読み書きや意思疎通は容易でなく、保護者たちから母語教育を求める声が寄せられたためだ。
CFなどで寄付を募り運営。日本国内に住む小学1~6年生を対象に、週3回オンラインでアラビア語の読み書きを教えてきた。スタート時19人だった受講者は、現在51人で、ニーズは高まっている。シリアやパレスチナ、スーダンなど政情不安や紛争が続く国・地域出身の子どもが目立つ。
支援を継続するため、アナーラは9月からCFを再開、11月19日まで受け付けている。目標額は194万円で、講師の人件費やテキストの発送費用などに充てる。
田浪さんは「アラブの子どもたちは、日本の学校や地域でマイノリティーとして生活している。アナーラが言語学習の場だけでなく『居場所』であり続けるためにも、支援をお願いしたい」と話し、理解と協力を求めている。(小林可奈)
(2023年10月16日朝刊掲載)
県内外の6人が在籍する小学5年クラスのオンライン授業。「テキストを読んでください」。シリア出身の講師ズィヤード・アルファッラージュさん(41)=安佐北区=がアラビア語で呼びかけると、画面越しに1人ずつ元気よく音読を始めた。子どもたちは日本各地で暮らす仲間とオンライン上でつながることができ、楽しそうだ。
アナーラは、代表の田浪亜央江(あおえ)・広島市立大准教授(中東地域研究)が2021年春、広島県内で子育てをしているアラブ人たちと設立した。日本で暮らす子どもたちにとって母語での読み書きや意思疎通は容易でなく、保護者たちから母語教育を求める声が寄せられたためだ。
CFなどで寄付を募り運営。日本国内に住む小学1~6年生を対象に、週3回オンラインでアラビア語の読み書きを教えてきた。スタート時19人だった受講者は、現在51人で、ニーズは高まっている。シリアやパレスチナ、スーダンなど政情不安や紛争が続く国・地域出身の子どもが目立つ。
支援を継続するため、アナーラは9月からCFを再開、11月19日まで受け付けている。目標額は194万円で、講師の人件費やテキストの発送費用などに充てる。
田浪さんは「アラブの子どもたちは、日本の学校や地域でマイノリティーとして生活している。アナーラが言語学習の場だけでなく『居場所』であり続けるためにも、支援をお願いしたい」と話し、理解と協力を求めている。(小林可奈)
(2023年10月16日朝刊掲載)