×

ニュース

旧日銀広島支店の復元完了 来月上旬に開館予定

 被爆建物の旧日本銀行広島支店(広島市中区)の復元工事が完了した。被爆時にガラスが刺さった館内の壁の跡を残しつつ、1950年代の姿に戻した。11月上旬の開館を予定し、第2次世界大戦の惨禍と復興を伝えるポーランドの博物館のパネル展を計画している。

 復元工事は、人手不足などから受注業者が決まらず、当初の予定から約5年遅れて2022年3月に開始。加えて、壁や天井のしっくいを現状保存する工法に変更したため工期が半年延び、9月15日までに全工程を終えた。

 現在は開館準備のため内部を公開していないが、原爆で破損した建物を復旧工事した50年代の様子を再現。1階床のプラスチックタイル張りを別の素材に張り替え、天井板を取り外して床板やはりが見えるようにした。外観は変わらない。今後、国の重要文化財の指定を目指す。

 市によると、総事業費は契約ベースで約2億6700万円。市文化振興課は「多くの人が訪れ、平和の尊さを体感できるように準備を進めたい」としている。(宮野史康)

(2023年10月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ