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ブチャ、広島市に連携要請 ウクライナの都市 相次ぐ動き 被爆地の復興経験に期待

 ロシアの侵攻により多くの市民が虐殺されたウクライナのブチャ市が、復興へ広島市との連携を望んでいることが16日、分かった。市からは平和首長会議(会長・松井一実市長)を通じた核兵器廃絶や世界恒久平和での協力を提案。ウクライナと被爆地で都市間連携の動きが相次いでいる。

 広島市によると、ブチャ市のフェドルク市長名の8月22日付の書簡が、松井市長宛てにメールで届いた。広島の被爆や復興の歴史に触れ、「連携協力」を求める文面。具体的な連携内容には触れていなかった。

 広島市は10月6日付のメールと郵便で「広島は国内外から支援を受け平和の象徴と呼ばれるまちになった。できる限り協力したい」と返信し、平和首長会議への加盟を呼びかけた。その後、ブチャ市から加盟に向けた連絡はないという。

 ウクライナからは、5月に激戦地の東部ハリコフ市の視察団が広島市を訪問。松井市長と市役所で面会したハリコフ市幹部は「いつか子どもに広島のような美しい街に住んでほしい」と述べ、姉妹都市締結を打診した。また、昨年2月のロシアの侵攻開始後、平和首長会議にはウクライナから南部メリトポリ市など2都市が加盟した。

 原爆の惨禍から復興し、核兵器も戦争もない世界の実現を訴える広島の歩みが知られているからこその連携の働きかけ。広島市国際化推進課は「書簡をブチャ市との交流のきっかけにしたい」としている。(野平慧一)

(2023年10月17日朝刊掲載)

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