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核禁条約参加へ被爆実態訴えを 日本被団協会議

 日本被団協は18日、都道府県組織の代表者を集めた会議を東京都内で始めた。19日までで、初日は核兵器禁止条約に詳しい明治大の山田寿則兼任講師(国際法)が講演。条約と距離を置く日本政府の方針転換に向け、世界的な機運を高める重要性を説き「広島、長崎の被爆の実態を国際社会に訴えることが重要だ」と述べた。

 被爆者や被爆2世の計約70人を前に、山田氏は「核兵器に関する諸活動を包括的に禁止している」と条約の特徴を解説。政府が重視する核拡散防止条約(NPT)兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)などと異なり、核兵器の使用に加えて製造や開発も禁じている点を強調した。

 被団協は条約参加を一貫して政府に求めているが、核保有国の不参加などを理由に拒まれ続けている。山田氏は「安全保障は他国との関係も重要。周辺国も巻き込んで共同署名する流れに持っていく方法もあり得る」と持論を語った。

 あいさつでは田中重光代表委員(82)=長崎市=がパレスチナ自治区ガザの情勢やロシアによるウクライナ侵攻に触れ「世界の政治指導者には停戦が求められている」と訴えた。(樋口浩二)

(2023年10月19日朝刊掲載)

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