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広島拘置所壁画「陶板に」 制作の画家故入野さんの遺族ら要望 機運醸成へ29日現地見学会

 広島拘置所(広島市中区上八丁堀)の建て替えで撤去される外塀の壁画を巡り、制作した東区出身の画家の故入野忠芳さんの遺族や知人でつくる会が19日に市役所で記者会見し、陶板画での保存を求めた。29日には現地で市民向けの見学会を開き、機運を盛り上げる。

 江戸時代の広島城下の風景を描いた壁画は、市が入野さんに依頼し、1989年に完成した。縦2メートル、全長約200メートルの大作で、会はこれまで現物保存を望んでいたが、多額な費用がかかるため断念。市に対し、壁画の画像をデジタル化し、陶板に焼き付けて残すよう要望しているという。

 保存機運を高めようと、29日午前10時、11時、正午からの計3回、市民を対象に現地で壁画の見学会を開く。設置に携わった元市職員が案内する。申し込み不要で無料。

 入野さんの妻泰子さん(73)=東区=は会見で「多くの市民に、壁画に込められた思いを知ってもらいたい」と話した。(和多正憲)

(2023年10月20日朝刊掲載)

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