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石川の被爆者・西本さんの足跡 紙芝居に 広島のカフェで28日披露会

 昨年解散した「石川県原爆被災者友の会」会長を務めた西本多美子さん(82)=金沢市=の足跡を伝える紙芝居の披露会が28日、広島市中区のカフェ「ハチドリ舎」で開かれる。制作した金沢の市民団体メンバーが上演し、紙芝居に込めた思いを語る。

 題名は「たみちゃんのノーモアヒロシマ」。4歳の時、爆心地から2.3キロの段原末広町(現広島市南区)で被爆した西本さんの体験や戦後を紹介。夫の転勤で移り住んだ北海道や金沢で被爆者運動に奔走したり、国内外で証言活動に取り組み核兵器廃絶を訴えたりした歩みも伝えている。

 30~90代の市民有志13人でつくる「『平和の子ら』委員会」が西本さんの足跡を語り継ごうと約2年半かけ7月に完成。300部発行し、石川県内の小学校の平和学習や図書館での読み聞かせに活用されているという。  「平和のために行動してきた私の思いが詰まっている」と西本さん。広島の人たちにも見てもらいたいと、原爆資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、広島県立図書館に寄贈した。

 披露会は午後7時から。西本さんと制作したメンバーたちが「継承」をテーマに意見を交わすトークセッションもある。千円と飲み物の注文が必要。ハチドリ舎☎082(576)4368。(新山京子)

(2023年10月23日朝刊掲載)

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