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核や安全保障 広島で学ぶ ICANアカデミー 12ヵ国22人で開始

 広島県と非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」は24日、核兵器と安全保障を考える講座「ICANアカデミー」を広島市中区で始めた。米国や中国、ウクライナなど12カ国の22人が参加。27日まで4日間の日程で被爆者と交流したり、安全保障の専門家たちの講義を受けたりする。

 開会行事でICANの川崎哲(あきら)国際運営委員が「被爆者の話を聞き、記憶の継承の仕方や広島がどのように復興し、今日の平和を築いているかに注意を向けてほしい」とあいさつした。

 ICANアカデミーは2019年に始まり5回目。今回は5月に広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)の成果や平和に向けた県の取り組みを学ぶ講義もある。ウクライナ出身の大学院生ビクトリア・スコロパツカさん(23)は「核兵器の人体への影響や被爆者の体験を学び、母国で伝えたい」と話した。(太田香)

広島サミットで「宿題残された」 広島市長

 広島市の松井一実市長は24日、市役所でICANアカデミーの参加者と面会し、5月に市であったG7サミットに関し「宿題が次世代に残された」との認識を示した。

 サミットで初の核軍縮文書「広島ビジョン」をまとめた点を評価しながらも「内容に必ずしも満足しているわけではない。理想に向かっての取り組みには乖離(かいり)がある」と述べ、世界の為政者たちと被爆地との違いを指摘した。

(2023年10月25日朝刊掲載)

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