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平和首長会議加盟の理由は ウクライナ・メリトポリ市長に聞く 解放・再建 協力得たい

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)に1日付で加盟したウクライナ南部メリトポリ市のイワン・フェドロフ市長が25日、中国新聞のインタビューにオンラインで応じた。ロシアが一方的に併合を宣言したザポロジエ州にあり、解放、復興へ「世界中の都市に支援の輪を広げたい」と訴えた。(宮野史康)

  ―ロシアの侵攻後、ウクライナの都市が相次ぎ広島市との連帯を求めています。なぜ首長会議に加盟したのですか。
 国際的なネットワークをつくるのはとても重要だ。メリトポリ市はいずれロシアの占領から解放され、再建が必要になる。多くの国、都市、地域の協力を得たい。ゼレンスキー大統領の広島訪問もきっかけの一つだ。

  ―首長会議は「国境を越えた都市の連帯」を掲げ、ロシアの都市も加盟しています。
 個人的な意見だが、全ての文明組織から、ロシアのメンバーを除外すべきだ。ロシアの都市や行政は戦争に加担している。ウクライナの市民を殺し、家や食べ物を奪った。文明の地に居場所はない。

  ―メリトポリ市が占領される中、市長はどこで執務していますか。
 首都キーウ(キエフ)と州北部のザポロジエ市を行き来している。ザポロジエ市には人道支援センターを開いた。2万人を超す市民が利用している。メリトポリ市の奪還に備え、インフラ復旧の計画を作っている。

  ―市長にとって広島の存在とは。
 広島の歴史は皆が知っている。多くの人が殺された。悲劇を経験したが、復興し、今や発展した都市だ。粘り強く、立ち上がる生命力を広島から感じる。私たちもできると信じている。

Ivan Fedorov
 1988年8月、ウクライナ・メリトポリ市生まれ。官民での勤務やザポロジエ州副知事を経て、2020年12月から現職。ウクライナ侵攻後の22年3月、ロシア軍に一時拘束された。

(2023年10月26日朝刊掲載)

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