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父の被爆体験 平和につなぐ 映画製作した米在住の美甘さん 広島大付属小児童に思い語る

 広島大付属小(広島市南区)の5年生62人が25日、米カリフォルニア州サンディエゴ在住で父親の被爆体験を伝える映画「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」(2020年)を製作した美甘章子さんとオンラインでつながり、映画に込めた思いなどを聞いた。

 美甘さんは米国で臨床心理医として活躍するかたわら、広島市で被爆した父進示さん(20年に94歳で死去)の体験を著書や映画で伝えている。母親も被爆者で「両親が経験した原爆の惨状を多くの人に伝えたい」と小学生の頃から思い描いていたと語った。

 進示さんは被爆時に大やけどを負い、戦後は貧しい生活を送ったにもかかわらず、何事においても憎しみを抱かなかったという。「『許す心』で平和を思う大切さを父から学んだ」と美甘さんは振り返った。森川紗瑛さん(11)は「父親の思いを受け止めて、平和のために行動する姿勢を見習いたい」と話した。

 ヒロシマのメッセージを国内外で発信している人を招く国語の授業の一環。11月には再度オンラインで対話し、美甘さんの思いについて理解を深める。(新山京子)

(2023年10月26日朝刊掲載)

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