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シリアの現状 想像して 11・12日 内戦テーマの演劇上演 福山の俳優小林さん主演

 シリア内戦をテーマにした演劇「ハイル・ターイハ」の上演会が11、12日の両日、福山市西町の複合施設「iti SETOUCHI(イチ セトウチ)」である。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の傘下組織が紛争地域の現状を伝えようと企画。福山市北本庄の俳優小林晃子さん(39)が主演する。(松本輝)

 劇は、クルド人と遊牧民ベドウィン族の間に生まれた娘ハイルが母ターイハたちとの生活を通じ、因習と現代文明のはざまで女性として自立していく物語。小林さんはターイハを演じる。

 北本庄出身の小林さんは高校卒業後に上京。演劇を学ぶため通った専門学校でユネスコ傘下の国際演劇協会(ITI)日本センター(東京)理事の林英樹さん(69)のゼミに入り、卒業後は林さんの主宰する劇団に入った。

 東京で約20年間活躍したが、新型コロナウイルス禍で舞台に立てない日々が続く中、古里の母親のことも心配になり今春にUターン。市内での活動を模索していた時、林さんに演劇への出演を打診されたという。

 ITI日本センターは2009年から毎年、「紛争地域から生まれた演劇」として中東やアジアの作品を東京で上演。本年度は文化庁の助成を受けて福山市を含む5都市で「ハイル・ターイハ」などを披露する。小林さんは「シリア内戦を無関係と思わず、想像力を働かせるきっかけになってほしい」と願う。

 11日は午後1時からと同5時から。12日は午後1時から。1500円。問い合わせは小林さんのメールアドレスannkotubu@gmail.com

(2023年11月4日朝刊掲載)

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