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被服支廠 全棟保存「目前」 広島知事、文科副大臣に要請書

 広島県の湯崎英彦知事は8日、広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)の全4棟保存の財源確保につながる国重要文化財(重文)の指定について手応えを口にし「全棟を残す目前まで来ている」と話した。文部科学省で青山周平副大臣に要請書を渡した後、取材に答えた。

 県は1棟当たりの耐震化に少なくとも5億8千万円かかると試算し、国が改修費の半額を補助する重文指定を求めている。湯崎知事によると、青山副大臣は会談の場で「しっかり検討する」などと応じたという。

 岸田文雄首相も8月6日の平和記念式典後、建物の活用方針が決まることを前提に「支援を速やかに行いたい」と話した。湯崎知事は県と文化庁の実務協議について「かなり進展している」と説明。建物の具体的な用途を県が示すのは先になるとしながらも、大まかな方向性は「何らかの形で出したい」とした。(樋口浩二)

(2023年11月9日朝刊掲載)

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